お盆のお供え物にベストな食べ物の種類!意味や由来は何?

8月の15日前後といえば「お盆」が日本の文化としてイメージがありますよね。
毎年お盆の時期に実家に帰省するのですが、お墓参りのお供えはどんなものがいいか悩んでしまいますよね。
大人として恥ずかしい事にならないようにお盆のお供え物にベストな食べ物をまとめてみました。
意味や由来もあるので参考にしてみてくださいね。
目次
お盆に食べ物をお供えする意味や由来
一般的には8月13日~16日の4日間ですが、旧暦を中心とした7月13日~16日にお盆を行う地域もあるようですね。
お盆の期間は、ご先祖様や亡くなった人たちが浄土(天国)から地上に戻ってくると言われていますよね。
つまりお盆のお供え物は、戻ってきたご先祖様の精霊を迎え入れてご先祖様の魂をおもてなしするという意味合いになります。
なので、仏教や神道における「献上物」と言った意味合いとは少し異なるんですよね。
また、お供えするものについては基本的にはあまり厳しい決まりごとがある訳では無いようですね。
ご先祖様への感謝の気持を表すことができれば良いので、故人が好んでいた物をお供えするのもベターとされています。
ただし、時期が夏場という事もあり腐りやすい物は避けるのが一般的です。
魚や生肉といった要冷蔵の食品は、例え故人の好物でもお盆のお供え物しては向いていませんよね。
むしろ、魚や生肉のお供え物は仏教的にNGなんです。
お盆のお供え物には人気のある定番がいくつかあるので私はそちらを選んでいますよ。
お供え物にベストな食べ物:お菓子(落雁)
「お供え物で一番に思い浮かぶのはお菓子だ!」という人も多いのではないでしょうか。
昔からよく見るのは「落雁(らくがん)」ですよね。
私もスーパーなどで見かけると、「もうすぐお盆だなぁ」と思うんですよね。
落雁とはもち米や麦などの粉を砂糖と水あめで練り、木型に押して乾燥させたお菓子です。
お釈迦様の弟子がお盆に僧侶達に振る舞ったことが起源とされていますが、蓮や菊がデザインされているものが多く、色は白やピンクが多いのもお盆のお供え物にピッタリですよね。
また、お供え物にはおいしいものがいいとされてきました。
中でも甘いものがいいとされてきたので、砂糖菓子である落雁が供えられるようになったんですよね。
また、落雁は見た目が他のお菓子に比べて美しいので、相手方の好みが分からない場合にもおすすめです。
お供え後のお菓子は自分たちで食べて問題ありませんよ。
ですが、落雁は砂糖そのもののような味がしたお菓子ですので、そのまま食べるのは抵抗がある方も多いです。
ですので、落雁は料理に使用するのがおすすめなんです。
すきやきや肉じゃがに使用すると、通常の砂糖より少し味が濃いのでいい感じになりますよ。
ちなみにお供え物のお菓子は、だいたい3,000円前後の予算で用意するといいと思います。
小分けできるお菓子だと、お盆に訪れた方々へのお返しとしてお菓子を手土産に持たせることができるのでさらに喜ばれますよ。
お供え物にベストな食べ物:おはぎ
お盆ではおはぎをお供え物として供える習慣がありますよね。
実は、お盆ではそれぞれの日にちで供えるべきものが決まっており「おはぎ」もそのうちの一つです。
おはぎをお供えする日は8月14日に供えるのが通例で、いつでも良いというわけではないんですよね。
お盆のお供えする食べ物には日にちごとに順番があります。
8月13日:お団子(迎え団子)
8月14日:おはぎ(お供え団子・落ちつき団子)
8月15日:そうめん
8月16日:お団子(送り団子)
ちなみに地域や宗派などによっても異なるので、一般的にこの日にちと順番で覚えておくと良いですよ。
おはぎは材料のあずきが赤い色をしているという事から、邪気を払う力があると言われていて「魔除け」の効果があると言われています。
さらにもち米には農作物が豊作になりますようにという祈願が込められているそうなんです。
つまり、お盆に先祖をしっかり供養することで自分たちの幸福を願うという仏教の由来からおはぎがお供え物として供えられるようになったというわけです。
また、お供えしたおはぎは、一度お供えしたらそのあとはすぐに下げて食べても良いとされています。
お供え物はなるべく早めにさげて感謝して家族で分けあっていただくことまでが供養の一つにとされています。
お供え物の食べ物は「お下がり」といって仏様に分け与えていただいたものですので、お供えしたものを痛ませてしまったり、悪くなって結局捨てることになってしまう方が仏様に申し訳ないですよね。
傷んでしまわないうちに、おいしく頂いてくださいね。
お供え物にベストな食べ物:お団子
お供え物にベストな食べ物ぼひとつとしてしられているのが「お団子」ですよね。
実はお供え物のお団子には3種類あるんですよね。
- お迎え団子
お盆の入りの時期である13日の午後に、ご先祖様をお迎えするためにお供えするお団子を、お迎え団子と呼びます。タレやあんこがついたお団子が使われます。
- お供え団子
お盆の最中の14日、ご先祖様が滞在している時にお供えするお団子を、お供え団子と呼びます。
ご先祖様がゆっくりと滞在してもらうようにという意味を持たせて「落ちつき団子」と呼ぶ地域もあります。
このタイミングでおはぎをお供えする地域もあります。
- 送り団子
盆の明けの16日の朝に、ご先祖様のお見送りをするときにお供えするお団子を、送り団子(土産団子とも)と呼びます。
一般的には、白い味のついていない団子をお供えすることで、持ち帰って好きな味つけで食べてもらう、という意味があります。
お盆のお供え物のお団子については、最近ではあまり厳密に行われなくなってきているようですね。
ですが、地域などによって違いがあるとされていて、それぞれ意味を持っているんですよね。
私は、基本的には感謝の気持ちが大事だと思っています。
いろいろな風習があるので、それを参考に感謝の気持ちを込めてお供えしてくださいね。
お供え物にベストな食べ物:キュウリとナス(精霊馬)
お盆の時期に作るなすときゅうりの飾りは、なすが牛できゅうりが馬を模した人形をよく見かけますよね。
これはそれぞれ精霊牛・精霊馬といって、どちらも夏野菜で手に入りやすいために使われるようになったんです。
きゅうりで作られた精霊馬は足が速い乗り物で、ご先祖様があの世から早く家に戻ってくるためのものです。
なすで作られた精霊牛は歩くのが遅く、あの世に戻るときの乗り物です。
少しでもこの世にとどまっていられるようにという意味や、ご先祖様を供養するためのお供え物などを楽に持ち帰ってもらうために選ばれたんですよね。
ちなみに、精霊馬の意味は地域によって違いがあります。
一般的にはこの世に長くとどまるために、こちらに来るときは馬、あの世に帰るときは牛に乗るとされています。
ですが地域によっては、お迎えする準備をしっかり行うため迎え盆に牛を作り、ギリギリまでゆっくりしてから早くあの世に帰れるように送り盆に馬を作るというところもあるのです。
どちらにせよ、ご先祖様には楽に行き来をしてもらいたいですし、少しでもこの世で長い時間を過ごしてほしいですよね。
精霊馬は基本的にはお盆の間に家に飾ります。
その後、送り盆になると処分することになっていますが、その方法や考え方は地域によって違いがあります。
例えば、北海道から中部地方などでは、迎え盆ではなく16日の送り盆に精霊馬を作り、お供え物と一緒にすぐに川や海に流します。
その他には、関東地方では13日の迎え盆に精霊馬を作り、送り盆に流すのが一般的なんですよね。
また、最近では川や海に精霊馬を流すことを禁止している地域も多いので、土に埋めて還したり塩などで清めたりしてから白い紙に包み塩で清めてから可燃ごみとして処分する方法もあります。
精霊馬を作る家庭が多い地域では、お焚き上げなどでまとめて処分してくれるお寺もありますので、問い合わせてみてくださいね。
ちなみに精霊馬は、旬の野菜で作ってありますが食べるのはNGです。
ご先祖様の乗り物として使われたものなので、食べずに正しい方法で処分してくださいね。
お供え物にベストな食べ物:そうめん
お盆のお供え物の食べ物で、意外な所では「そうめん」がお盆のお供え物として用いられる事が多いんですよね。
地域によって意味は諸説あるようですが、暑い季節にもツルっと食べやすそうでいい感じですよね。
- 幸せがそうめんの様に細く長く続くという気持ちから
- 子先祖様が帰る際の荷物を縛る紐、帰りに乗る精霊馬の手綱に見立てている
- 昔からそうめんには熱病予防の効果が信じられていたので、その名残
その他には豊作祈願の意味合いもあったり、お盆近くの年中行事である七夕でそうめんをお供えしていたものがお盆にも取り入れられたなど、色々な由来があるんですよね。
そうめんをお供えする場合は、必ず茹でて調理したものをお皿に盛りおつゆとお箸を添えてお供えしてくださいね。
お盆の期間中はお供え物は絶やさない事が大切ですが、食べ物を用いる場合はご先祖様がちゃんと食べられる状態でお供えするのも大切なマナーなんです。
箱や袋に入ったままや茹でていないものではご先祖様が食べられませんし、何をお供えされたのかも分かりませんよね。
また、お供え物のそうめんを「お下がり」として頂く場合は、目安として湯気が出なくなって冷めてから下げると良いですよね。
湯気が立っている間はご先祖様が食べている最中だと考えてそのままにしておく訳ですね。
あくまで目安なので暑さで傷んでしまわない内に、「お下がり」として美味しく頂いてくださいね。
お供え物にベストな食べ物:精進料理
「お盆=精進料理」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
お盆に精進料理を備える際には、ご先祖様たちと共に生きてきた動物に感謝するという意味があります。
また、精進料理とはもともと仏道修行のために作られていた料理の事で、煩悩を刺激しないように作られているんですよね。
なので私なりに解釈すると、最も仏教の教えを尊重したお供え物のひとつだと感じました。
肉や魚などを使わず豆や野菜などをメインにした「精進料理」を作って、ご先祖様と同じ物を食べるのも良いですよね。
精進料理は、食材本来の持ち味を損なうことなく「味付け・盛り付け・調理法」でより素材を活かす料理法なんです。
また、一般的に精進料理には肉と魚は使用禁止で、粉末や出汁をとる際にも気をつけなくてはいけませんね。
しかし野菜でも、五葷(ごくん)とよばれるにんにく・ねぎ・にら・玉ねぎ・らっきょうはNGですし、刺激物が敬遠されるので山椒・唐辛子・コリアンダーなどの香辛料も避けたほうがいいですね。
こうして見てみると、野菜を主としながらもバランスの取れる食事として完成度が高いですよね。
じつは、旬の材料を無駄なく使いきる精進料理は和食の基本なんです。
シンプルでつまらない料理と思うかもしれませんが、日常の食生活にもヒントにできることがたくさんありますよ。
今年のお盆は精進料理のお供えにチャレンジしてみてくださいね。
まとめ
お盆のお供え物にベストな食べ物の定番をいくつか紹介しました。
用意しようと考えているものがお供え物として不適切ではないか心配になりますね。
しかし、先祖供養の基本は「感謝」や「供養」の気持ちですよね。
お供え物はご先祖様が好んでいた飲み物や食べ物、故郷にちなんだ地元の名産品などでも良いですよね。
心配な場合はご家族の方と相談して決めると安心ですね。
また、お供え物は一度添えたら放置するというものではなく、下げたもの家族や訪問客で頂くという所までが含まれています。
お供え物は法事法要の一環ですので、ある程度の節度やマナーを守ってよりよいお盆を過ごしてくださいね。